無事に1クール目が終わり、2クール目が始まった『薬屋のひとりごと』。2クール目は猫猫と壬氏の関係進展なども見えて、面白さが加速してきている。
そんな『薬屋のひとりごと』の1クール目の最終回である12話では猫猫を迎えに来た壬氏がお土産として「虫から生えた奇妙な草」を持ってくる。それを見た猫猫は目を輝かせて喜んだ。
この「虫から生えた奇妙な草」は、Youtubeにある『猫猫のひとりごと』にて冬虫夏草であることが明かされている。
私の冬虫夏草について持っている知識は子供の頃にジャンプで連載していたマンガ『未確認少年ゲドー』で得た「草じゃなくてキノコ」「名前の由来が冬の間は虫で、夏になると草になるからであること」「漢方薬になる」ということくらい。(ゲドーに出たのは人に寄生する冬人夏草と呼ばれるものだったけど)
子供の頃から知識がアプデされていないので、学び直しを兼ねて冬虫夏草について調べてみたことをまとめたいと思う。
冬虫夏草とは
先に述べた通り、草という名前がついているがキノコの類である。土中の昆虫、または蜘蛛などに寄生し、子実体を虫の体から出た姿をしている。
主に、中国の四川、雲南、甘粛、青海、湖北、浙江の各省、チベットなどに生息している。基本は中国のほうで採られるものらしいが、日本では沖縄県の西表島に冬虫夏草の仲間が分布している。
チベットに生息するオオコモウリガの幼虫に寄生するキノコを冬虫夏草と呼んでいたそうだが、現在では虫に寄生するキノコ全般を冬虫夏草と呼ぶらしい。
ちなみに虫以外にも寄生していた事例があるとのこと。
名前の由来は「冬の間は虫で、夏になると草になる」と昔の人達が信じていたからとのこと。そのため、別名に夏草冬虫というのもある。
薬としての冬虫夏草
冬虫夏草は漢方薬になることで有名なキノコである。滋養強壮、健康促進などの効果あったことから古代中国の貴族の間では秘薬のような扱いを受けていた。有名どころでは秦の始皇帝、楊貴妃などが愛用していたそうだ。
冬虫夏草の効能は多岐に渡るが、主に肺と腎を強くする効果がある。
腎虚(老化などによる内分泌機能の衰えのこと)や、生殖機能の低下、関節部位の衰え、免疫力低下に効くとされている。このことから、不老長寿の効能があると思われていた。
現在ではラットを用いた実験により男性の勃起不全に冬虫夏草が効果的であるという結果も出たという。
また、止血化痰(出血を抑え痰を除くこと)の効能があることから喘息、肺結核、気管支炎などの呼吸器官症状にも効果的である。
最近の実験では免疫調整作用のほかに、心臓の保護作用、不整脈の軽減、さらには癌の増殖を抑えるなど効果があることがわかったそうだ。
まさに万能薬。なんでもござれという感じだ。
金より高いキノコ
冬虫夏草は人工栽培が難しく、ヒマラヤの雪の中から飛び出している子実体を探すという方法で採取される。この探すというのが大変な作業で数人がかりで1日数本見つけられればいい方だという。
また、気候変動によって冬虫夏草が育ちにくくなったそうだ。そのため、冬虫夏草の価格は高騰し、金よりも高いとまで言われてしまうほど。
さらに、世界的な植物由来の健康機能食品がブームになったために乱獲されてしまったことも価格高騰に拍車をかけた様子。
乱獲ダメ。絶対。
まとめ
万能薬かつ見つけるのが大変なキノコということで、壬氏が冬虫夏草を持ってきたときの猫猫の喜びようが大げさすぎることはないとわかった。
しかも、壬氏は複数個もくれたのだから、猫猫もテンション爆上がりだったのだろう。
冬虫夏草は、元々知っていたけれど調べ直すと、近代のことがわかって楽しい。やはり、定期的に学び直して知識をアプデしていくのはいいなぁ。
『薬屋のひとりごと』は様々な知識学ぶきっかけをくれるから見ていて大変楽しい。今後は高順に続く推しである羅漢も全面的に出てくるので、楽しみ楽しみ。
「鉛中毒」についての記事も書いているので興味があれば、どうぞ。