『薬屋のひとりごと』に登場した羅漢の詳細について明かされて、アニメ勢はすっきりしたのではないだろうか。
明かされた羅漢の謎のひとつに一部の人間を除いて人の顔を認識できないというものがあった。これは、失顔症または相貌失認(そうぼうしつにん)と呼ばれる病気の一種である。
今回は、羅漢が患っている相貌失認・失顔症について調べたことをまとめみてようと思う。
相貌失認・失顔症とは
相貌失認とは人の顔の区別がつけられない病気のことである。先天性と後天性があり、羅漢は先天性もので、脳の顔を認識するための機能が正常に発達しなかったことが原因と思われる。
通常であれば、友達の顔などを見れば誰かすぐわかるし、性別もわかる。しかし、相貌失認の人は重度になると顔を判断出来ないために性別すらもわからなくなってしまうという。
さらに、相手の視線が読めない、表情がわからないために相手の感情を汲み取れないなど、日常生活に支障をきたすことも珍しくない病気である。
羅漢も親の顔もわからないなど重症の相貌失認であったことから、出世の見込みなしと父親に見捨てられてしまった。
相貌失認は人口の約2%の人が患っているという話もあり、意外と身近な病気なのかもしれない。
相貌失認の治療法
相貌失認は主に対処は認知療法、リハビリなどの治療がおこなわれる。
認知療法は認知の補助を行うことがあり、声や話し方、服装、癖など顔以外の特徴で覚えるというものがある。
作中で羅漢は羅門から顔以外のことで人を覚えるようにアドバイスを受けたおかげで、ある程度人の判別ができるようになった描写があることから、羅門は認知療法で羅漢をサポートしたと思われる。
現代では、脳の他の部位に働きかけることで、顔の認識をサポートできる可能性があるという研究結果が出たとのこと。いつかは完全な治療法が確立されるかもしれない。
猫猫と鳳仙の顔がわかる理由
羅漢は鳳仙との交流を通じて、彼女の顔を認識できるようになる。実際にそのようなことがあるのかを調べてみたが、詳しいことはわからなかった。
ファンタジー的な言い方をすれば愛によるフィルターであると考えられる。現実的に考えるのであれば、先に書いたように脳の他の部位がサポートしたことで、鳳仙の顔を認識できた可能性があるかもしれない。
だから、鳳仙の顔のパーツを引き継いでいるであろう猫猫の顔も認識できている可能性がある。
ただ、この考えはあまりにも夢がないので、私は愛によるフィルター説を推したい。その方がロマンチックだしね。
まとめ
相貌失認は日常生活に支障をきたしたり、良好な人間関係を構築する上で障がいとなってしまうことから、孤独感や疎外感を感じてしまうことの多い病気だそうだ。
周囲の理解が得にくい病気であることも関係しているようなので、これをきっかけに理解が広まればなと思ったり。
相貌失認自体の存在は知っていたが、今回調べてみて初めてすることもあったので、とても楽しかった。
2期制作の発表もあって、来年の楽しみがひとつ増えてとても嬉しい。『薬屋のひとりごと』はひとつひとつの小さな事件が裏では大きな謎に繋がっているという、伏線の貼り方が上手で先の見えない展開が面白い。
2期が始まるまで時間があるので、ゆっくり1期を見直したりコミック版を読んでみたりして、ゆっくり楽しもう。