今回は、1冊完結であっさり読める『RAIDEN-18』のあらすじと見どころを紹介したいと思う。
『RAIDEN-18』は『鋼の錬金術師』や『銀の匙』、『アルスラーン戦記』で有名な荒川弘先生によるコメディ漫画。
フランケンシュタインの怪物が題材になっていて、個性の豊かなキャラたちのドタバタコメディが面白い作品となっている。
『RAIDEN-18』のあらすじ
死体改造愛好家のタチバナによって、よりすぐりの優秀な死体を繋ぎ合わせられて作られた人造人間「雷電18号」。
常識を持っているライデンとは反対に倫理観をどこかにふっ飛ばしているタチバナに、ライデンは振り回さていく。
『RAIDEN-18』の見どころ
倫理観がお留守のギャグシーン
『RAIDEN-18』はフランケンシュタインの怪物を題材としてるため、死体がたくさん出てくる。
雷電自身もよりすぐりの優秀な死体を繋ぎ合わせて作られた存在であり、その死体ので所は闇オークションや医者からの横流しなど倫理観がお留守になりがちである。
また、ヒロインのタチバナもマッドサイエンティストなので、倫理観は持ち合わせていない。
そのため、良識常識を持っている雷電から激しいツッコミを貰うこともしばしば。
倫理観の喪失具合を勢いとノリとツッコミによって笑いに昇華していて、荒川弘先生の手腕に唸らされるできとなっている。
個人的に雷電の脳に犬の脳みそを使ってるところが好き。人間に動物を混ぜるぶっ飛び具合たまらない。
迫力あるアクションシーン
荒川弘先生の魅力のひとつである骨太の線で描かれるく迫力あるアクションシーンは、コメディを主軸とした本作でも、遺憾なく発揮されている。
雷電は体の一部に力士がいることから相撲の技を使うのだが、上手投げを披露するシーンが個人的に好き。
線の勢い、躍動感、重厚さがすごく良いものとなっていて、荒川弘先生のアクションが好きな人には刺さるかっこよさがある。
私のお気に入りは1話のクリーチャー選手権にてライデンの相手となったジュテーム2号の戦闘。
肘から刃のように飛び出した骨(金属加工済み)がかっこいい。クール系な女の人でスピード戦を仕掛けてくるって本当にときめく。女性ならではの身軽さで巨躯のライデンを翻弄すると最高。
個人的に自分の体の一部を武器として使う系のキャラが、好き過ぎる。
余談だが『装甲悪鬼村正』の一条とか目茶苦茶好き。(見ていて痛々しいが)
海賊版絶対許さない
荒川弘先生は代表作『鋼の錬金術師』は中国で海賊版が出回っていたことに、相当思うところがあったようで、本作では「絶対に海賊版を作れない話を書く」という意気込みがあった模様。
3話目の雷電の偽物が出た話では、毛沢東(けざわひがし)という、明らかに毛沢東(もうたくとう)をモデルにしたキャラが登場する。
さらに、偽物ライデンの体から段ボールが出てきたりと、日本なら笑いのネタだが、中国では笑えないであろうネタが豊富に盛り込まれている。
極めつけはタチバナが「偽装とか海賊版って、そういうの良くないと思うの!!」と発言するため、荒川弘先生はほんっとうに嫌な思いをされたことが伝わる。
ちなみに、タチバナの偽物パチバナや偽物ライデンの台詞のフォントも目茶苦茶怪しげな感じになっていて、こだわりを感じる。
嫌な思いをコメディに変換して、面白く描かれるているので個人的に一番好きな話。
まとめ
荒川弘先生の作品は、アクションと日常、コメディの配分が丁度いいので、くり返し楽しんで読める作品が多い。
『RAIDEN-18』はコメディのテンポがとにかく良くて、クスクス笑えるので、疲れたときにパラパラっと読むと癒やされる。
荒川弘先生のコメディ部分のノリが好きな人に、本当におすすめ。
掲載時のカラー原稿もカラーのまま収録されている豪華っぷりもファンにはたまらないかもしれない。
紙版では特殊印刷を用いられていて、立体的な仕上がりになっている。触り心地が違っ面白いのでおすすめは個人的に紙版かな。特別仕様な感じがオタク心をくすぐるのです…。ちなみに、私は紙版電子版と両方持っている。