Youtubeのアニメタイムズ公式チャンネルで2024年1月30日から同年3月1日の12時までの期間限定で配信しているので、12話に続いて、アニメ『蟲師』13話「一夜橋」について、あらすじと見どころを書いていく。
前回の「眇の魚」はこちらからどうぞ
あらすじ
山深くの谷の向こうにある里に呼ばれたギンコ。3年前に谷に落ちて以降、ぼーっと空を見つめるだけの状態になってしまった女性・ハナを見てほしいとのことであった。
そして、ハナと恋仲であったゼンと共に谷で起こる現象の原因を探っていく。
見どころ
それぞれの思う幸せ
ハナは里の外にある本家から縁談を持ちかけられていたが、ゼンと恋仲であったことから嫌がっていた。そのため、ゼンの逃げようという提案に一度は乗るが、結局残していく家族を見捨てることができず、ゼンに心を残したまま嫁ぐ決意をする。
ゼンは親家族、里を捨ててもハナと望むように生きることを幸せと思い、逃げようと提案する。ゼンはハナが他の男に嫁ぐのを良しとしていなかったし、自分といればハナは幸せになれると思っていただろう。
ハナの母親は、本家からにハナを嫁がせることに執念を燃やしているように見えることから、たまに鬼婆と呼ばれる。しかし、母親がハナを本家に嫁がせたいのは、ハナの幸せを思ってのことだとも思える。
嫁いで子を生むことが女の幸せだという思いがあり、本家は里に援助できるほど裕福であることを考えるならば、衣食住に困ることは絶対にないので、一定の幸せは保証されている。
それぞれの立場になって見てみると、より物語の深みを味わえる構成になっている。
一夜橋ができるところ
ギンコが訪れた里には蟲・ニセカズラによって役の20年に一度、一夜橋というものが作られる。実際のかずら橋同様に大量のニセカズラが集まり、連なり、編まれていく様の描写が迫力あるものとなっている。
ギシギシとニセカズラたちが編んでいく音も、耳心地がいいので注目して聞いてほしい。
ゼンの手を触った蟲
ゼンは里を出る決意をして、ニセカズラによる一夜橋をギンコとともに渡ろうとする。そのときハナや里のことを「忘れられる」と自分に言い聞かせるように、内心で考えていた。
しかし、自分の手を触ってきたニセカズラを見て寄生されていたハナを思い出して、ゼンは歩みを止めてしまう。
ゼンは割と人間関係に対してドライな部分が多いキャラだ。例えば、ハナと逃げれば確実に村八分になるであろう自分の家族やハナの家族を見捨てることに躊躇がない。
そんなドライなゼンでも、やはり好きな女性を忘れて捨て去ることなどできないという、ゼンの人間味を感じれるシーンとなっている。
ところで、ゼンの手についたニセカズラはハナに寄生していた個体だったのだろうか。それとも、月の光を浴びて反応しただけの関係のない個体だったのか。
ゼンは前者だと解釈したように見えたが、蟲の性質を考えると…。
まとめ
一夜橋はニセカズラの性質上、一度進めば戻るのことできない橋だ。戻ってしまえば悲惨な結末が待つ。これは、一度決めたことを覆してはならないとも取れる。優柔不断はよくないと思わせられる話だった。
今回登場した橋のモデルは、日本三奇橋のひとつである徳島県の祖谷のかずら橋だと、原作のあとがきにて明言されている。シラクチカズラを編み合わせて作られた橋で、水面上から14メートルの高さに作られていて、足元から川を覗くことができる。
景色が美しい場所とのことで、私も行ってみたいのだけれど、ビビリなので渡り切れる気がしない。
Youtubeのチャンネルでの配信は13話までだが、『蟲師』の1期は26話あるので、続きが配信されるようだったら引き続き、各話あらずと見どころを書いていきたい。
Youtubeの期間が終わったあとは、AmazonPrime Video(有料。無料お試し期間あり)にてアニメタイムズに加入(有料。無料お試し期間有り)すると全話視聴可能となる。広告無しで見たい場合にもおすすめ。
1話はこちらからどうぞ