Youtubeのアニメタイムズ公式チャンネルで2024年1月30日から同年3月1日の12時までの期間限定で配信しているので、6話に続いて、アニメ『蟲師』7話「雨がくる虹がたつ」について、あらすじと見どころを書いていく。
（最近、この更新ペースですべて紹介を終えれるのか、不安になってきてる…）
前回の「露を吸う群れ」はこちらか
あらすじ
父親が過去に見て触れたという不思議な虹を追っているという男・虹郎と出会ったギンコ。ギンコは虹郎の父親が出会ったのは虹蛇という「蟲」であると察して、興味本位から虹郎の虹探しを手伝うことにする。
虹を負い続けた末にあったものとは。
見どころ
雨降り独特の湿度感
「雨がくる虹がたつ」というタイトル通り、今回は雨と虹が重要となっている。そのため、ストーリー内では雨の描写が多い。
この雨が降っているときのシーンが画面から湿度を感じてしまうほど、描写がうまい。画面全体が少しぼやけたような描き方になることで、湿った空気感が手に取るように伝わってくる。
しっとりとしていて、話の内容にマッチしている。
ちなみに、雨だけではなくカンカン照りの描写もあるのだが、こちらも本当に暑そうだ。太陽がジリジリと地面や人を焼く音が聞こえてきそうだし、ギンコたちの汗を見るだけでこちらまで汗が出てきそうになる。
虹郎と父親
虹郎の父親は昔、虹にそっくりの「蟲」である虹蛇に触れたことをきっかけに雨に狂うようになり、虹を求めた。母親は雨になると豹変する父親に恥ずかしいと悪態を吐くが、虹郎だけは父親の虹の話を好み、父親を尊敬していた。
しかし、村では虹狂いの父親につけられた虹郎という名のせいで馬鹿にされたり、代々橋大工の家計だったが兄とは違い才能のない自分、さらに手怪我してしまい大工生命も絶たれてしまった。結果的に虹郎の居場所は弱って床に伏せる父親のそばしかなくなってしまう。やがて、虹郎はそれに耐えられなくり逃げ出してしまう。
しかし、頭の片隅に置いてきた父親がいた。虹郎は作中でギンコが指摘した通り、父親への後ろめたさを紛らわすために虹を追いうことで自虐しているのだ。
父親のことをどこか疎ましく感じていたから逃げ出したのに、父親のことを完全に捨て去ることもできない。怪我をした手をしきりに気にする描写も、大工をあきらめきれないからと思われる。虹郎の葛藤と、その決着に注目である。
雨上がりのような清涼感
虹蛇を見つけた虹郎とギンコ。虹郎は虹蛇を捕まえようとするが、自然現象と同等の存在である虹蛇が、自分の手でどうこうできるものではないと悟る。
五年も追い求めたものの正体を知り、大きすぎる存在に触れたことで、どこか開き直ったかのように虹郎の表情は清々しいものとなっている。
その後、自虐の旅だった虹を追っていた期間を無駄にすることなく活かしたのは、逃げてばかりだった虹郎の成長が見られるものとなっている。
まとめ
「雨がくる虹がたつ」を見ると虹を見たくなる。今回の「蟲」虹蛇は普通の虹とは配色が逆だという設定だったので、ついつい虹を見るとき配色を確認してしまう。
あと、小学校の頃に虹の生えている場所にお宝があるなんて噂が流行ったものだから、自転車で追いかけたのを思い出す。
漆原友紀さんいわく、虹郎はアシスタントさんたちから不評だったキャラだったらしい。漆原友紀さんは描いてる最中は好きだったけど、あとから読み返したら「なんでこんなやつを?」となったとのこと。
ちなみに、私は虹郎がそこそこ好き。過去を捨てきれない不器用さとかに可愛さを見出している。不器用で賢く生きれないおじさんって可愛いよね。
この話は清涼感たっぷりな終わり方をするので『蟲師』の話の中では後味がいい貴重な話となっている。
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