Youtubeのアニメタイムズ公式チャンネルで2024年1月30日から同年3月1日の12時までの期間限定で配信しているので、3話に続いて、アニメ『蟲師』4話「枕小路」について、あらすじと見どころを書いていく。
あらすじ
とある村に暮らす男・ジンはある時から予知夢を診るようになる。その予知夢のおかげで村人や家族から感謝されていたが、ジンは予知夢を見ることに恐れを抱いていた。
そんなときに、ギンコが現れてい予知夢を抑える薬を渡される。しかし、予知夢を抑える薬を飲んだことで娘の命を救えない事態になってしまったジンは薬を飲むのをやめてしまう。すると、予知夢はどんどん増えていき…。
見どころ
ホラー色が強いストーリー
「枕小路」は1話から3話までよりホラー色の強いストーリーとなっている。そのため、コメディ調にギンコの顔が崩れることもなく、ギンコも終始張り詰めた表情をしている。「蟲」によって夢でみたことが現実に起こってしまうというのは想像するだけで恐ろしい。
夢というのは見たいものだけを見ることはできないし、悪夢を見てしまうことを回避することはできない。
ジンが人が死ぬ奇病の夢を見たことで、妻や周囲の人間が死に絶えてしまう。この病が発病すると全身が緑色に染まり、指先から崩れ落ちていく。演出は指先から腕辺りまでだったけど、ジンは妻の全身が崩れていくのを目撃しているのだから辛い。
ジンの顔つきも妻と子どもがいた頃から変わっているのも、メンタルにきていることがわかる描写となっている。顔つきをぜひ見比べて欲しい。
自分ではどうしょうもないことで周囲を巻き込み、人を死なせてしまうという、オカルトとは違うホラーを感じる。
ジンの夢の世界
ギンコから処方されていた夢野間による夢を抑制する薬を過剰摂取して倒れたジン。その時、ジンは夢を見るのだが草原の中を立っていて、その上には大量の夢野間が飛んでいる光景が美しいのに、どこかさびしげで、それでいて少し不気味だ。
原作でもこのシーンは少し不気味に感じていたのだが、アニメでも美しいなかに不気味さを残してくれていて印象的だ。
そして、夢の中の自宅に入ると死んだはずの妻と子どもがおり、謝るジンの姿が胸に刺さる。妻役の声優さんの声がとにかく優しいので余計に刺さる。
日常の地続きにある自然の摂理
『蟲師』は日常の地続きに起こる奇っ怪な出来事を描いているのだが、「枕小路」は特にそれを感じさせてくれる。
眠るという行為はまさに日常的に行うもので、夢は人によるだろうがほとんどの人が見るものだ。この、日常生活に干渉してくる「蟲」の生態によって、人の人生がおかしくなってしまうのが鮮明に描かれている。
一見「蟲」が悪いかのように見えるが、作中でギンコは「人も「蟲」も悪くない。ただ在るように在っただけ」と言う。「蟲」は「蟲」の生を、人は人の生を全うしているだけなので、なにが悪いとかはなく、ただの自然の摂理であることがわかる。
前の3話より切ない結末を迎える「枕小路」。最後の方に映るジンが生きていこうとした形跡に胸がきゅっとなる。
まとめ
「枕小路」原作1巻に収録されていて、他の話がホラー色の薄いものばかりだったので特に印象深い話。
昔の人は夢を見ることは別世界に行く手段として考えていたという話を聞いたことがある。そのため、夢を見るためにあれこれやと試していたらしい。「枕小路」はこの話を元ネタにしたのかな?
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