赤身は趣味に忠実

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大人になってから見るとキャラへの印象が変わるアニメ『あたしンち』の話


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私は在宅で仕事をしているのだが、仕事中のBGMとして音楽ではなくアニメの垂れ流しをしている。

Amazonprimeビデオのマイリストから適当に選ぶのだが、最近はアニメ『あたしンち』を見ている。

子どもの頃から何度も見てきたので内容をほぼ覚えているのだが、定期的に見返したくなる謎の魅力がある。

仕事の合間にチラチラ見たり、セリフを聞いていて気付いたことがあった。昔より母の言動への理解度が上がったこととみかんのあまりの子どもっぽさに心配を覚えるようになった。正直な話をすると私は子どもの頃、母のキャラ性が苦手だった。

子どもの話を聞かず思い込みのみで物事を進めるところ、図々しい言動で子どもに恥をかかせるところ、身内には強気なのに内弁慶、みかんとユズで対応に差があるところが好きになれなかったのだ。

逆に好きだったキャラはみかんとユズ。みかんは単純にキャラデザが可愛いいのとそそっかしいところが好き。ユズは母に構われすぎてウザそうにしている姿や、かっこいい男を目指して背伸びしようとして理想と現実のギャップに落ち込んでしまうところに可愛さを感じていた。

現在、大人になり子どもを持ってから改めて『あたしンち』を見ると母のことを心から好きになれはしないけど、母の目線を理解できるところができた。また、みかんへの印象も変わった。

例えば、1話ではみかんが母に作ってもらっている弁当の内容に文句を言うのだが、子どもの頃はみかんの方に感情移入をしていた。女子高生のお弁当が煮物であったり、塩鮭のみだけでは恥ずかしいと思うみかんの気持ちはわかる。女子らしくカラフルで可愛らしいお弁当に憧れるのもわかる。しかし、あたしンちの母はザ・昭和おかんであるため、可愛らしお弁当というものが伝わらない。みかんが必死に伝えるも、母が作ったのはミックスベジタブルが詰められたお弁当で、みかんは絶叫する。

出典:『あたしンち』©けらえいこ/テレビ朝日

子どもの私は「なんでわからないかなぁ!?」と母に憤慨したが、今では「みかんが自分で弁当を作ったほうが早いだろ」と思うようになった。みかんは高校生だ。料理のひとつも覚えていていい年頃であり、お弁当のひとつくらい自分で作れてもよいのではと思う。正直母親に文句を言うよりも自分で作ったほうが早いだろう。母は母なりにみかんの要望に答えようとしていたのも、母なりに子どもを理解しようとする姿勢が見えてよかった。

それから、4話ではみかんが友達とカラオケに行っていたが、母に遅くなる前に帰ってきなさいと怒られる。結局みかんは友達と相談して親が寝静まったあとに帰るという作戦を立てて遅くまで遊んだ。その間、母はみかんから1本電話をもらったのみで、いつ帰ってくるかわかわないみかんの帰りを待って遅くまで起きていた。母はみかんをしばき倒すための道具を選別しており、いざ帰ってきたみかんに一発お見舞いしようとしたが、白刃取りされてしまう。

出典:『あたしンち』©けらえいこ/朝日テレビ

まだ携帯電話が当たり前ではなく、手軽に連絡が取れない時代だったので子どもの安否は公衆電話からの連絡か、帰宅を待つしか方法がなかった。子どもの頃は「そんなに心配しなくても友達と遊んでるし、みかんは高校生なんだからほっとけばいいのに」と思っていた。小学生の私からしたら高校生は大人のようなものだったので、自分でなんとかできるでしょと思っていて、母の行動には共感できなかった。

しかし、いざ子どもを持った身で見ると、母は怒って当然だと理解する。連絡がこまめに取れない、大人が寝る時間まで帰宅しない、帰宅の催促に応じないとなると子どもを心配するのは当然だ。さらにみかんは女性であり、夜道を1人で歩くという危機管理能力の低さも問題だ。母が怒るのもわかる。

みかんの友達と遊びたいという気持ちは痛いほどわかるが、やはり門限というのは子どもを心配するから設けるものであると思う。母が遅くに帰ってきたみかんに一発お見舞いしようとしただけで長々説教することがなかったのは、みかんがきちんと帰宅したことに対する安堵の気持ちもあったように思う。

出典:『あたしンち』©けらえいこ/朝日テレビ

次は掃除機で一発見舞うと宣言したけど。

子どものころはあたしンち母は理不尽な大人だと思っていたが、親目線になると意外と理不尽さを感じなくなったし、少し好感を覚えるようになった。まあ、大人から見ても理不尽なところはままあるし、満員バスで他の乗客を押しのけたり、子どものプライバシーに関わることを平然と外で言う母の性格はどうかと思うが。

子どものときの目線から大人の目線に変わると、タチバナ家の色々な部分の見方が変わるから、定期的に見ても飽きないのかもしれない。

ちなみに、一番好きな話はしじみカレーの話です。しじみもカレーも好きだけど、あの組み合わせで食卓に出たら腹抱えて笑うと思う。