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アニメ『ちいかわ』でくりまんじゅう先輩の飲酒描写が禁止された理由を考える

 

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『ちいかわ』でくりまんじゅう先輩が登場して久しいけど、飲酒シーンがない。焼きしいたけの回でお酒から緑茶に変わっていたことで、SNSでは話題になっていた。コロナビールとタコスの回で

は、コロナビールがコーラに見えるようなものにすり替わっていた。

ライムコークを持っているくりまんじゅう

出典:『ちいかわ』©ナガノ

くりまんじゅう先輩といえば酒、酒といえばくりまんじゅう先輩というくらいに切っても切れない関係だと思っていただけに衝撃だった。アイデンティティ剥奪されてる。アニメ『ちいかわ』は朝放送だったので、やがて「朝だから仕方ない」といった空気になって、話題は収束していった。

私も朝に飲酒の描写は放送コード的なものにひっかかるんだろうなとは思ったが、具体的に何がだめなのか気になった。正直、朝からお酒を飲んではいけないというのも、私的には違和感があった。

というのも、私は居酒屋店員をしていて、仕事が終わり家に帰って風呂に入ったりなんだりしていると朝方になっていることも珍しくなかった。そこから、私の飲酒タイムが始まる。昼職をしている方からしたら言語道断な感じかもしれない。

しかし、私はそういうサイクルが出来上がっていたので、朝からの飲酒は生活サイクルによっては全然有りだと思っている。では、世間的に朝からの飲酒が憚れるのはなぜか。多分、ほとんどの人が朝から出勤して働いていることが関係している。みんなが汗水流して働いているなかで、ぐうたら酒を飲むのは仕事をしていないダメ人間のようなイメージがあるのだ。

おそらく、今のように24時間営業や夜勤が普通ではなかった時代の名残もあるのかもしれない。昔の人々は昼間に働き、夜は休むというサイクルが当たり前だったように思う。これが今でも根付いているせいで、朝から酒をかっくらうのは働いていないダメ人間という感じがして、憚れているのかもと思ったり。

今は価値観が変わってきて、夜職の人も増えてきて私にように朝から飲酒を楽しむ人も増えてきているように感じる。

では、なぜくりまんじゅう先輩は朝からの飲酒を禁じられたのか。飲酒についての広告、放送について調べてみた。

酒類の広告審査委員会のホームページをによると

広告・宣伝の際の留意事項
イ 20歳未満の者の飲酒を推奨、連想、誘引する表現は行わない。

ロ 20歳未満の者を対象としたテレビ番組、ラジオ番組、新聞、雑誌、インターネット、チラシには広告は行わない。

 

出典:酒類の広告審査委員会HP

この文章から考えてみると、朝から放送している『ちいかわ』は20歳未満の人が視聴する機会があるため、配慮した可能性を感じる。実際、アニメの『ちいかわ』は小さい子どもからも人気があって、最近では子供向けのホビー展開も熱い。

くりまんじゅうは先輩がめちゃくちゃ美味しそうに飲酒する姿を見て、真似をしてしまう恐れをなくすために改変したのだろう。

テレビ広告を行なわない時間帯
5時00分から18時00分まで
 ただし、企業広告(企業の経営理念、社会貢献への取り組み等をアピールし、当該企業に対するイメージ向上を目的とする広告をいう。)及びマナー広告(飲酒に関する注意喚起(20歳未満の者の飲酒、飲酒運転、妊産婦の飲酒、容器リサイクル、適正飲酒等)、その他公共福祉全般に関する啓発を目的とする広告をいう。)は除く。なお、酒類の商品の表示、飲酒シーン(注ぐ・嗅ぐ等の描写を含む。)は、禁止とする。

 

出典:酒類の広告審査委員会HP

時間については朝5時から18時まで飲酒、酒類の放送が禁止されているから、朝放送の『ちいかわ』では最初からくりまんじゅう先輩の飲酒シーンは無理だったようだ。

ちなみに、飲酒シーンや広告の規制はアルコール依存患者が、飲酒を煽るようなシーンを見ることに苦痛を感じてしまうための配慮らしい。必死に治療している最中に、魅力的な飲酒シーンがあると、つらい思いをしてしまうのなら配慮は必要だから、規制は妥当だろう。

くりまんじゅう先輩のアイデンティティが無くなってしまったのは寂しいけれど、飲酒がなくてもくりまんじゅう先輩が可愛いという事実に変わりはない。アニメ『ちいかわ』も順調に続いて、人気もどんどん上がっている。

飲酒シーンが見たいなら原作読めばいいし。アニメに出る時は休肝日なんだと思えば健康的だ。裏で飲んでいるに違いない。

口をきゅっと結んだくりまんじゅう

出典:『ちいかわ』©ナガノ

かわいい。

くりまんじゅう先輩のこれからの活躍を楽しみにしよう。