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読めば読むほど味が出るスルメホラー漫画『裏バイト:逃亡禁止』2巻の感想


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1巻に続き、2巻も読んだので『裏バイト:逃亡禁止』2巻の感想を書いていきたい。

大まかなあらすじと1巻の感想は前回の記事をどうぞ

kurururu96107.hatenablog.com

 

2巻収録エピソード

人形供養

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出典:『裏バイト:逃亡禁止』©田口翔太郎/小学館

 

白浜とユメは、シャーロット甘ノ崎という女性とトリオで人形供養の裏バイトをすることになった。雇い主の黒崎によって3人は用意された家で何かが取り憑いている人形の供養を始める。

人形マニアの甘ノ崎が人形を持って外に出ようとする。しかし、家には細工が施されており外に出ることができなくなっていた。閉じ込められた白浜とユメは家の中を調べる。すると、2階に雑に板張りされた血だらけの扉があった。

「燃ヤサナイデ」

感想

取り憑かれてる人形はホラーとして王道なので好き。内容もホラーとしてわりと王道なものとなっていて、読みやすかった。甘ノ崎さんみたいな無機物を生き物のように扱う大人って一定数いるけど、わりと危ない行為なのかなと思った。

特に人型のものは元々は人の身代わりだったという話を聞いたことがある。良くないものが入りやすいのかもしれない。そして、そんなものも金儲けに使う人間というのは、どこにでもいるんだよね。

今回はユメちゃんの首筋がエッ…大変セクシーで美味しかったです。ごちそうさまでした。

最後ユメちゃんの不穏な発言と匂いの能力を考えるとコトを終えたアレはもう害はないのだろうか?

自然保護監視員

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出典:『裏バイト:逃亡禁止』©田口翔太郎/小学館

 

白銀神山と呼ばれる雪山に自然保護監視員のバイトにやってきた白浜とユメ。雇い主の馬岡から白銀神山の怪談を聞かされる。

白銀神山にはしらかみ様と呼ばれる神様がおり、白銀神山にホテルを建てるという話が出た時には、信仰している地元住民たちから「天罰が下る」と反対の声が上がった。あるとき大きな雪崩が起きた時に、建設作業員たちが巻き込まれて、後日不気味な状態になった遺体として発見された。この事故以降は不可解な現象はなくなり、無事にホテルは建設された。

しかし、ユメは黒い匂いを察知して…。

「神を崇める者。神を否定する者。神とはなんの関りも無い者。神はどれを見逃すと思う?」

感想

山の怪とか大好き、土着信仰も興味ありの私に一番ハマった話。神の描き方がすごく良かった。そして、こんな死に方絶対したくないと思わせてくれるオチに背筋がゾワッとした。

作中の建設作業員の死に方からディアトロフ峠の話をモデルにしたのかな?あの話も不思議な事いっぱいで、大好きなのでモデルっぽくて嬉しい。

不可解な存在、現象を解き明かしたいという馬岡の気持ちはわかる。人命を犠牲にしてでも解き明かしたいというやり方に大いに問題があったと思う。

見た目ちょっと好みだっただけに「お前…(呆れ)」となってしまった。人命軽視の発言をでっかいカブトムシを見つけた少年みたいな顔で語るところに馬岡のすべてが現れていたような気がする。

今回は一部に救いが残されていて良かった。ただ、最後の一コマがただただ怖かった。

助勤巫女

 

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出典:『裏バイト:逃亡禁止』©田口翔太郎/小学館

 

本州から離れた福音島と呼ばれる所へ助勤巫女の裏バイトにやってきた白浜とユメの2人。同じくバイトに来ていた美帆と真琴と仲良くなるが、美保は島民によって殺害されて福ノ神に捧げるために井戸へと捨てられてしまう。

そのことが関係して、白浜と真琴は血塗れの美保が井戸から出てくる夢を見る。真琴が井戸を探させてほしいと島民に頼むが、島ぐるみで福ノ神に巫女を生贄として捧げている島民たちはそれを許さなかった。

さらに、ユメが「クサイ」と言い出し…。

「一人残らず無惨に殺して。」

感想

巫女服のユメちゃん滅茶苦茶可愛かった。やっぱりデカいなぁ。どこがとは言わないけど、明らかに周りに比べてデカい。

どこまでも利己的に得体の知れないものでも利用しようとする人間の意地汚さが描かれていてヒトコワ要素があって好き。下手な怪異より、欲塗れでそれに忠実な人間のほうが気持ち悪いと思わせてくれる話。

あと滅茶苦茶偏見かもしれないけれど、地位が高い人やプライドがやたら滅多高い人、すごい金持ちの人って性癖の歪み方が犯罪方向に向いている気がする。

水族館スタッフ

 

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出典:『裏バイト:逃亡禁止』©田口翔太郎/小学館

 

水族館のバックヤードツアーの裏バイトにやってきた白浜とユメ、そして白浜の後輩である橙。スタッフの草津の説明を受けながら、バックヤードを周っていると機械音に混じり「ドッドッドッ」という鼓動のような音が聞こえてくる。さらに、ユメは「クサイ」と顔色を変えた。

そんななかとある女性客が水槽の中に行くために三百万という大金を払いバックヤードツアーに参加する。白浜とユメは仕事だからと女性客を案内しようとするが、ユメが黒い匂いを感知した。

 

「全部忘れて…」

感想

新キャラの橙のアホバカ具合が好き。人の名前を覚えられない、裏バイトを始めるきっかけの借金の理由が連帯保証人とバカなんだけど、いい子なんだろうなぁと思う。

水の音や鼓動の音は精神を落ち着かせる効果があるらしい。特に海の音は子宮の中の音に酷似しているようで、聞くと落ち着く人が多いと聞いたことがある。

今回の話はそれを元にしたのかな。暗い水の中ってどことなく不気味で怖いという部分を刺激される話だった。

読んでいてしばらく水族館に行ってないなぁと思い出した。今年は行きたい。魚見ながら魚食べたい。寿司食べたい。