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『ENDER LILIES』という少女と騎士の組み合わせで癖を刺激するゲームについて語る


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少女と騎士という組み合わせは古今東西誰からも愛されていると思う。ぜなら、か弱い少女を守る騎士という図はてぇてぇ(尊い)からである。

そんな、てぇてぇを刺激される上に、音楽は綺麗でかっこいい、ストーリーは切なく悲しい、ゲーム性抜群と褒める場所しかないゲーム。それが、『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』。パッケージでもうてぇてぇが刺激される。

私がこのゲームを知ったのは、パッケージ版が発売されるという告知のときだ。メインイラストを見た時に釘付けになってしまった。

出典:『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』Binary Haze Interactive

白くてか弱そうな少女とボロボロでなんか深い事情抱えてそうな騎士いる!!

もうこの時点で、神ゲーだと確信した。しかし、生憎私はこのときおこづかいが足りず、発売しても購入は見送りになるだろうと思っていた。が、なんと旦那が「欲しかったんだろ?」とSwitch版を買ってきてくれた。はぁ~?しゅき。

早速プレイ。

出典:『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』Binary Haze Interactive

序盤からの美麗なイラストムービーに魅入っていしまう。

ストーリーは突如「死の雨」によって滅んだ果の国を舞台に、黒衣の騎士の声で目覚めた少女·リリィが国の謎に迫っていくというもの。「死の雨」の原因は、穢れを浄化できる白巫女とは、リリィは何者なのか、様々な謎を解いていく先にある切ない物語は胸がぎゅっとなる思いをする。

ジャンルはメトロイドヴァニア系アクションゲーム。いわゆる死にゲーだが、2Dの横スクロールで可愛らしい絵柄もあって取っつきやすい。

ちなみに、私は死にゲーでは『Bloodborne』『ELDEN RING』『Hollow Knight』をプレイ済み。上記3作品よりは死にゲーとして理不尽な部分は少ないと感じた。即死攻撃なし、デスペナルティなしと死にゲー入門として比較的優しい難易度になっている。しかし、ボス戦は歯応えのある戦闘を楽しめる。

(フロムに毒され過ぎてる人には少し物足りないかも?)

操作キャラのリリィは攻撃しない。出来るのは移動と回避、ゲームを進めていくとパリィを習得する。攻撃はリリィに力を貸してくれる黒衣の騎士を含む26種類の魂たちをスキルとして使用することでできる。

出典:『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』Binary Haze Interactive

↑私の2周目データ。

どのスキルも個性的で、上位下位はあれど産廃スキルがない。メインスキル以外もきちんと使い所があって、自分にあったスキル構成を考えるのが楽しかった。スキルには使用回数が設けられているのものあるから、変に乱発すると攻撃ができなくなるのもボス戦での緊迫感がすごかった。見た目がお気に入りのキャラで組んでも良し、効率重視で組むのも良し。

スキルになってくれる魂たちは「死の雨」によって穢れてしまって正気を失っているけど、リリィを守ろうとしてくれる優しい人たちだ。特にメインのキャラは生前の深堀りがしっかりされていて、愛着が持てる。国との関係やリリィたち白巫女との関わりなどを知っていくたびにてぇてぇを刺激されてしまう。

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出典:『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』Binary Haze Interactive

皆が優しくて、白巫女を大事にしていて守ろうとした想いを知るたびに「どうして幸せになれなかったんや…!」と叫んだ。

そして、終盤になってリリィと黒衣の騎士との関係性を知っててぇてぇが爆発した。初見の方には2人の核心的なネタバレに触れないでプレイしていただきたいので、詳しいことは伏せる。

黒衣の騎士がリリィと一緒にいる理由が、もうてぇてぇ(語彙消失)。もはや呪いにも近いものだが、その呪いのようなもののおかげであの結末に辿り着けたのだと思うと、悪い呪いではなかったように思う。

黒衣の騎士が内心で葛藤を抱えていた描写も良かった。正直、ただリリィを守るというだけじゃ、関係性に深みが出ないからね。キャラの作りが本当に丁寧だというのが伝わる。

リリィの存在も非常に悲しく、果ての国の国王には殺意が芽生える。しかし、かわいそうは可愛いなのだ。私はかわいそうは可愛いと感じるネジ曲がった人間で、悲惨な生まれ、辛い過去、悲しい存在理由などが大好物。リリィは私の性癖のすべてを網羅した素晴らしいヒロインだった。そして、そんなかわいそうは可愛いのヒロインに、不遇なイケ騎士という組み合わせは最高だ。

さらに、リリィはストーリー進行で穢れを浄化するたびにグラフィックが赤黒く穢れていくので、ずっと心配することになる。

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出典:『ENDER LILIES: Quietus of the Knights 公式アートブック』Binary Haze Interactive

白い衣装が赤黒く染まっていく姿にどこか背徳感を覚えつつ、「大丈夫??本当に大丈夫なのかい!?」とハラハラしていた。

果ての国の内部が意外とグロテスクな問題を抱えていたのも良かった。国のためとはいえ、凄惨な戦争を起こしたこと。そのせいで、多くの呪いを生んだこと。その呪いに抵抗するための手段もグロテスクで、でも根底には優しさがあった。

ストーリーの出来がすごく良かったので、切なくて優しい、うっすらグロテスクなストーリーが好きな人にオススメしたい。

マップ配置アイテムを使った伏線も、終盤の伏線の回収の仕方が秀逸で鳥肌が立ったので、是非体験していただきたい。

ちなみに、私はスキルセット欄から黒衣の騎士を外したことがない。オーソドックスで使いやすいという以外にも、やはり少女を騎士で守るプレイが楽しい。「リリィ危ない!」とか言いながら黒衣の騎士でズバッと敵を倒すのがたまらなく楽しかった。一部ボス戦では余裕なくてそんな事できなかったけど、セットからは外さなかった。

個人的に黒衣の騎士が最後まで顔を見せなかったのもポイント高かった。顔が見えてもいいんだけど、最後まで見えないのもそれはそれでいい。

DARK SOULS』とかでもそうなんだけど、顔が見えない騎士ほどカッコいいものはないんだよ。安易に顔見せてイケメンでしたも嫌いじゃないけど、やっぱり騎士は兜脱いじゃだめよ。アルトリウス好きだよ。グンダで詰んで以降プレイ断念してるけど。たまねぎ剣士も好き。

BGMはマップやキャラに合わせて、どこかさびしげなものからおどろおどろしいもの、重圧感のあるかっこいいものと豊富で耳のご馳走ばかり。

ボス戦のBGMもそれぞれのボスに合わせた曲調で、戦闘を盛り上げてくれる。私はゲームが上手なわけじゃないので目茶苦茶死ぬんだけど、もう一回曲聞けるならいっかと死ぬのも楽しめた。

普段は負けが込みすぎるとイライラしてくるんだけど、『ENDER LILIES』はBGMのおかげでストレス無く死ねた。ストレスフリーで死ぬって意味わからんけど、感じたままに書くとそうなる。

Amazon Musicにサントラも出てたから、一時期子どもの寝かしつけに使ってた。子どもは寝るし、私は耳に御馳走でストレス軽減されて最高だったなぁ。

『ENDER LILIES』はお値段も3000円行かず、お手頃価格で手が出しやすいのもポイント高い。というかこのクオリティでこの値段でいいんですか?もうちょっと取れたんじゃない?と思ってしまう。

『ENDER LILIES』は私が買ったSwitch版の他にもPS4、Steam、Xboxでもプレイ可能なので、世界観が好み、少女×騎士をてぇてぇと感じる人はプレイしてみてほしい。