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ちいかわの葉っぱちゃんたちに思いを馳せる

島編も無事に終りを迎えて、ちいかわたちは日常に戻ったけど、私は島に囚われて帰ってこれない。より正確に言うならば、葉っぱちゃんたちのことが気にかかって辛い。

島編ラストで、葉っぱちゃんたちは島から出て2人で暮らそうとしたけど、セイレーンたちにはお見通しだった。おそらく葉っぱちゃんたちではセイレーンに太刀打ちできないだろうから、捕まってずっと暗くて深いところに入れられたと思われる。

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出典:『ちいかわ』©ナガノ

 

いや、こんなんずっと気にかかるわ。だって、ちいかわたちが楽しくキャッキャッしてる最中でも、葉っぱちゃんたちはずっと暗くて深いところに居るんだと思うとさ。

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出典:『ちいかわ』©ナガノ

 

ちいかわたちの日常を純粋な気持ちで享受できないよ!?この裏を想像するとさ!?

せめて、葉っぱちゃんたちの檻がめちゃくちゃ近いか、一緒の檻に入ってることを願いたい。

そもそも、葉っぱちゃんたちがこういう結末を迎えてしまったのは、価値観が違う生き物への理解度の低さが問題だと思う。

セイレーンはでかつよ系統の中では温厚な部類に入るが、温厚=害をなさいではない。温厚な生き物でも気が付かない間に他者に害をなすなんて当たり前なのだ。

共生できていたのは、お互いに深く干渉し合わなかったからだと思う。島民たちは最初からセイレーンを恐ろしい生き物だと認識して、害をなされないように最初にいい思いをさせたあとは自分たちから近づこうとはしていなかった。

セイレーンもまた、コーラスの人魚たちがいるから無理に島民たちと絡む理由はない。適度な距離が出来上がっていたはず。

しかし、葉っぱちゃんたち、特に双葉はその辺の認識が甘かったように感じる。船で釣りに出た先でセイレーンを見つけて、欲を出して果物を歌で育ててと頼もうと双葉は考えた。

一葉は双葉の考えに魅力を感じつつ、セイレーンに関わるのを良しとはしていなように見える。

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出典:『ちいかわ』©ナガノ

 

そして、悲劇が起こってしまった。

葉っぱちゃんたちとセイレーンの価値観に大きな差がある。葉っぱちゃんたちにとってセイレーンは、自分たちの住んでいる場所に突然来た生き物で、ギリギリ共生していた。

しかし、セイレーン側からしたら、たまたま来たら島民からなんか美味しいものもらったから、ここに住んじゃおうという程度だと思われる。

なにより、双葉はおそらく「誰とでも友だちになれる」という認識を持っていた可能性がある。言葉が通じれば意思疎通ができるというのは、あながち間違いではないが、時に間違いともなる。

言葉が同じでも、考えや価値観が違えば意思疎通は難しいものとなる。

人間でも、「あの人は何を言ってるのかわからない」と言葉は通じてるのに意味がさっぱりわからないという事がよく起こる。

これは、自分の価値観に基づいた話をしてるだけで、相手の価値観への理解を示していないことで起こる。

基本的に対話というのは相手の考えに同調したり、受け入れたり、時に否定したりということの繰り返しだ。しかし、葉っぱちゃんたちとセイレーンの間では、相手の考えに同調することも、受け入れることもされていない。

そもそも、対話自体が行われていない。一方通行なのだ。

双葉が死にかけたことで、一葉はセイレーンたちを恨むような表情を見せたが、逆恨みのように感じる。島民が恐れて危険視している生き物にあえて近づこうとして、危機的状況に陥ったのなら自業自得とも取れる。しかし、一葉からしたらそんなことは関係ない。セイレーンによって双葉が傷ついて死にかけているという事実しか頭にないのだ。

そして、本に書いてあった永遠の命のために、一線を越えてしまう。この時点で、あの結末は避けられないものだったと考えられる。価値観の違う相手とは適切な距離を置かなければ、自分が不幸になるだけだ。

親友のためとはいえ、ひとつの命を奪ったこと。島民たちを見殺しにし続けたこと。

葉っぱちゃんたちはこれらの罪をずっと暗くて深いところで背負いながら、永遠の命を味わうこととなった。葉っぱちゃんたちは、どんな気持ちだったのだろう。

これ朝アニメ枠で放送できるの??劇場版とかにしないと無理では??子供見たら泣くぞ?

元々子供向けとして描かれたわけではないから、配慮とか必要ないんだけど。

島編を映画館で見たいという気持ちは大いにあるんだ。やってほしい。R12位にしたら幼い子供の心にトラウマを植え付けずに済みそうだし。

これからも、ちいかわたちがキャッキャッと楽しそうに日常を過ごしている姿を見ながら、葉っぱちゃんたちに思いを馳せていこう。


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出典:『ちいかわ』©ナガノ

葉っぱちゃんたちのグッズが出るのなら、檻とセットでお願いしたい。暗いところに飾るから。